2022.12.01

震災被害をきっかけに復活した伝統野菜「仙台白菜」

thumbnail

明治時代から脈々と続くブランド白菜

中国より伝来した種子から、品種改良を重ねて誕生した「仙台白菜」。柔らかくて旨みが強く、漬物にもよく使われています。

Image 1

結球白菜生誕の地が誇る味

「仙台白菜」の歴史は明治時代にまで遡り、中国から導入された種子をもとに宮城県でおよそ20年もの研究の末、「松島白菜」という白菜が誕生しました。ブランド「仙台白菜」は、「松島白菜」とその後に作られた「松島純二号」などの総称です。葉が柔らかく甘味があるのが特長で、煮ればとろけるような食感に。生で食べても美味しい白菜です。

塩害に強く被災地でも栽培できる。復興支援につながる白菜

「仙台白菜」は大正末期から昭和初期にかけて、全国に出荷され一世を風靡しましたが、生産量が減少し、市場から姿を消していきました。しかし、塩害に強いという特長を生かし、東日本大震災による津波被害を受けた畑で栽培が始まったのがきっかけで復活。それからおよそ10年、台風被害など困難に遭いながらも、「仙台白菜」は逞しく成長し、少しずつ生産量も増えています。

Image 1

受け継いだ伝統野菜で作る郷土料理

「仙台白菜」は葉が肉厚なのにとても柔らかく、アミノ酸を多く含んでいるため、漬物に向いています。「仙台白菜」の漬物は郷土料理でもあり、昔は何よりのおかずとして重宝されていました。宮城県では牛たんが有名ですが、付け合わせに白菜の漬物が登場することもあります。それ以外にも、焼き物、炒め物、鍋など、その味のよさを生かし、様々な食べ方で楽しまれています。