2022.06.30

口に入れた瞬間、豊かな香り広がる「枝豆」

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滋味深く、豊かな香りが特徴

さっと茹でたところに塩を振るだけでおいしい枝豆には、さまざまな品種があります。なかでも茶豆は特に香りが高く、甘みが強いことが特徴です。

日本の夏に欠かせない食の風景

枝豆は、未成熟の大豆を収穫したもの。青いまま収穫して食用にするので、豆類ではなく緑黄色野菜に分類されます。枝豆の品種は400種ほどあるので、産地によってもさまざまな味が楽しめます。江戸時代の文献には、夏に枝豆を売る商人の姿が描かれ、そのころから、夏の風物詩として活躍していたようです。

茶豆は、さやに生えている産毛と、成熟したときの豆の薄皮が茶色いのが特徴。豊潤な香りで、しっかりとした濃い味がします。足が早いので、すぐ調理するのがおすすめです。

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甘みと香りが広がるブランド茶豆

宮城県では、「仙台ちゃ豆」や「気仙沼茶豆」という独自のブランドを栽培しています。気仙沼茶豆は、気仙沼地方の在来種といわれている五葉茶豆のこと。通常は1枚の葉に3枚の小葉がつくのに対し、5枚の小葉がつく茶豆です。山形県がルーツと言われ、通常の枝豆よりも糖分が多いので、甘みをしっかり感じることができます。広々とした畑で太陽をいっぱいに浴びて、甘みと香りが際立つおいしい枝豆が育つのです。

宮城の郷土料理、ずんだ

宮城県の郷土料理には、枝豆を茹でてすり潰したものに砂糖を加えた「ずんだ」があります。夏にしか収穫できない貴重な枝豆で作るずんだは、昔から季節を感じられる郷土料理として伝わってきました。餅にずんだを絡めた「ずんだ餅」は、お盆に供えたり振る舞ったりする料理の定番です。