2022.12.01

根っこまでおいしい宮城の在来野菜「せり」

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永きにわたり栽培されてきた伝統野菜

せりは千年もの栽培の歴史をもつ野菜で、県内では名取市の「仙台せり」、石巻市の「河北せり」をはじめ、各地で栽培されています。

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清らかな水源が育む味と香り

せりは競うように伸びる姿から「競り」と名づけられたと言われています。せりは水を張った田んぼで栽培しますが、収穫時にも洗浄のため水を使うので、清らかかつ豊富な水源のある地域が産地となっています。宮城県のせりの生産量は国内トップで、湧水に恵まれた名取市上余田や下余田地区、石巻市河北地区で生産が盛んに行われています。

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時期によって異なる美味しさ

宮城のせりは、鍋物用や正月のお雑煮用として9月~3月に出荷される「根せり(冬せり)」と、春のお花見用として4月~6月に出荷される「葉せり(春せり)」があります。「根せり」は、根っこが付いたせりで、歯ごたえと強い香りが特長。「葉せり」は、主に春に伸びた新芽を摘んだもので、爽やかな香りと軟らかさが特長です。

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旬を味わえる宮城の名物「せり鍋」

せりは数少ない日本原産の野菜で、古来より日本の食卓を彩ってきました。江戸時代に刊行された料理本にもせりはよく登場し、特に鴨肉との相性は抜群で、よく取り合わせて食べられていました。現在では、旬のせりをふんだんに使って根っこまでいただく「せり鍋」が、宮城県の冬の定番グルメになっています。