東京で宮城県産品を購入できる!リスタートした「宮城ふるさとプラザ」店長に直撃インタビュー

2025年8月8日(金)、東京都千代田区有楽町の「東京交通会館」に宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」がオープンしました!


2024年12月までは東京都豊島区の池袋駅前に店舗がありましたが、賃貸契約が満了したため閉店。宮城県内外から存続を望む声が多数寄せられ、クラウドファンディングを実施して再オープンにいたりました。筆者は宮城県出身で現在は東京在住。これまで何度も池袋の「宮城ふるさとプラザ」に足を運び、ふるさとの味を購入して救われていました。そのため閉店のニュースを聞いたときは、とても寂しく思ったのを覚えています。


今回は、店長の大蔵国孝さんに新生「宮城ふるさとプラザ」についてインタビュー!

池袋時代から長年店長を務める大蔵さんは、有楽町でリスタートした今、なにを思っているのでしょうか……?

東京で宮城県産品を購入できる!リスタートした「宮城ふるさとプラザ」店長に直撃インタビュー

東京交通会館にリニューアルオープン!新しいニーズを感じる新店舗

2025年9月頭、オープンから約3週間後に取材にお伺いしました。


大蔵店長によると、新店舗は池袋店に比べると「お土産や法人需要がある」とのこと。池袋では自分用に商品を購入する方が多かったのですが、有楽町ではお取引先への手土産を買いに立ち寄る方も多いのだとか。東京駅など主要駅に近く立地が良いため、これまでとは少し異なる新たなニーズを感じているようです。

  • お店にはひっきりなしに人が訪れていた
  • 池袋店時代にはなかったガチャガチャ。宮城にゆかりのあるガチャガチャが並ぶ
  • ガチャガチャでゲットした、仙台弁こけしグッズ

客層は幅広く、特に多いのは40代以上の女性。池袋では若い世代やファミリーも多かったので、それに比べると落ち着いた世代の方が多いようです。


また、東京交通会館には北海道や沖縄県など他の地域のアンテナショップも入居しています。そのため“アンテナショップ巡り”の一環で訪れる方も多く、これまで宮城県に興味がなかった方に情報や商品を届けるきっかけになっているそうです。ほかのアンテナショップとのつながりもでき、特に同じ東北の「秋田ふるさと館」とはよく情報交換をするのだそう。


「池袋店のときはオンリーワンでやれる強みがありましたが、今は“アンテナショップの総本山”とも言える東京交通会館で営業できることのありがたさを感じています」と大蔵店長。


今後は、季節のフェアや生産者による試食販売会も予定しているとのこと。最新情報は、公式HPやSNSで確認できます!

存在価値を高めたクラウドファンディング

宮城県が設置した池袋の「宮城ふるさとプラザ」は、2024年12月で幕を閉じました。コロナ禍を乗り越え、売り上げを伸ばしていた矢先のことでした。「お客様や生産者の皆さんと20年間培ってきたものをここで終わらせるわけにはいかない」ということで、店舗をリスタートさせるためのクラウドファンディングを決意。

  • 「宮城ふるさとプラザ」の壁には、クラウドファンディングに協力してくれた方々への感謝の言葉が飾られている

当初の目標は2,000万円でしたが、最終的には28,236,711円もの金額が集まりました。オールorナッシングという“目標に届かなかったら寄付金は全額返金”という形式だったこともあり、SNSなどを駆使して奔走。サンドウィッチマンのお二人など著名人の方々をはじめ、県内外にお住まいの宮城県出身の方々、宮城ファンの消費者の方々など、多くの方より支援が集まったと言います。

  • 店内には、宮城県にゆかりのある著名人のサインも並んでいる
  • オープンの際は、たくさんの祝い花が贈られた。なかにはサンドウィッチマンや羽生結弦さんからの花も……(写真:宮城ふるさとプラザXより)

「クラウドファンディングを通じて、アンテナショップとしての存在価値が一層高まりました」と大蔵店長。公的な支援を元手に運営されているアンテナショップが多いなか、クラウドファンディングが元手となっている「宮城ふるさとプラザ」の成り立ちは異例とのこと。現在は、店舗の売り上げで運営を続けているそうです。


大蔵店長としても、新体制となり心境の変化があったそうです。

「運営主体が自分たちになり、今後はさらに支援いただいた方を中心に、生産者や消費者の皆様の声に応えられるお店にしていきたい。そして持続性のある事業をつくっていきたいと考えています。」

強い絆で結ばれたスタッフ

アンテナショップなので、大蔵さんも宮城県出身…かと思いきや、実は京都生まれ。宮城のアンテナショップで働きはじめるまで、宮城県にゆかりはなかったそう。宮城にかかわるようになり、もう20年。当初は宮城県出身ではないことに、引け目のような感情もあったそうで、「昔は“県外出身者だからこそニーズがわかるんだ”と、宮城出身ではないことを強みにしようと肩ひじを張っていました」と大蔵さん。実際に、生産者の方に会いに行くと「なんだ、宮城出身じゃないのか」と冷たくされてしまうこともあったのだとか……。


「でも何度も通ううちに、皆さん親身になっていろいろ宮城のことを教えてくれるようになりました。今となっては、宮城の皆さんがいたからこそやってこれたなと思っています」と大蔵さん。筆者は宮城県出身なので、大蔵店長が宮城のためにアンテナショップを守り、東日本大震災やコロナ禍を乗り越えてくださったことに大きな感謝を感じます。「そう解釈してくださると、すごくありがたい……でも私としては、宮城の皆さんが20年間育ててくれたから、今こうやって仕事ができているんだと逆に感謝しています」。

  • 大蔵店長とスタッフ。スタッフたちは全員が池袋時代から継続して働いており、一緒に激動を乗り越えてきた絆がある

お店を支えるスタッフも、全員が宮城にゆかりがあるわけではありません。宮城や隣県出身者もいますが、伊達武将隊ファンの方など、様々なバックボーンを持っているそうです。「池袋から一時的に茅場町に移り、今は有楽町。実はスタッフの顔触れは全然変わっていないんです。ほっといても全部やってくれるような、心強いスタッフたちです」。オープン直後はお茶を飲む暇もないくらいの忙しさだったそうですが「誰ひとり文句を言わず働いてくれました」とのこと。

「宮城県産品」にこだわる品揃え

「宮城ふるさとプラザ」で取り扱う商品はどのように決めているのでしょうか。大蔵店長によると、独自に「販売品目選定委員会」という審査会を設け、その中で「宮城県産の素材を使用している」または「県内で最終加工が行われている商品」を「宮城県産品」として定義し、この基準を重視しながら、仕入れや取引内容の調整を行っているとのこと。そのため仙台駅で人気の商品だとしても、この定義から外れるものは取り扱わないのだとか。ある意味、仙台駅のお土産よりも濃厚な「宮城県産品」を購入できるのが「宮城ふるさとプラザ」かもしれません。


お客さんから「宮城よりも宮城のものが揃ってるね」と声をかけられることもあるのだとか。また、「地元にこういう商品があるんだけど……」と薦められたものを実際に取り扱うケースもあるそう。「宮城ふるさとプラザ」は、お土産屋さんというよりも「スーパーやセレクトショップのような品ぞろえを目指している」とのこと。


さて、オープン後はどのような商品が人気なのでしょうか?大蔵店長に、特に人気の高い商品を教えていただきました!

オープン直後の人気商品をご紹介!

●ずんだシェイク&ソフトクリーム


想定以上に人気があり、オープン翌日の夕方に材料がなくなってしまうほどだったそう!

東京交通会館にはたくさんのアンテナショップが入っており、各店舗が地域のソフトクリームを出しています。そのため、全体的にソフトクリーム人気が高いのだとか。

  • 人気のお茶屋さん「喜久水庵」が手掛けるソフトクリーム&ずんだシェイク
  • ソフトクリームの1番人気はずんだ味。写真は抹茶&ずんだのミックス
生クリーム大福 喜久福
大正9年創業、仙台生まれの伊達なお茶屋です。人気商品の喜久福などお茶屋のこだわりを込めたスイーツをお届けしております。やわらか薄…
生クリーム大福 喜久福
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●白石温麺


白石市の名産品・白石温麺(うーめん)も人気。

  • 様々な種類の白石温麺が並ぶ
きちみ製麺 つりがね白石温麺 1袋(400g)/6袋/10袋
宮城県の名産麺白石温麺(しろいしうーめん)。ふるさとの懐かしい味を伝える定番商品です。つるみ、のどごし、歯ごたえのそれぞれが調和…
きちみ製麺 つりがね白石温麺 1袋(400g)/6袋/10袋
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きちみ製麺 すみっコぐらししろいしうーめん(白石温麺) 1袋(300g)/12袋
宮城県の名産麺白石温麺(しろいしうーめん)。食用油を使用せず作り、9センチの短さが特徴です。通常の素麺にくらべひとまわり太いので…
きちみ製麺 すみっコぐらししろいしうーめん(白石温麺) 1袋(300g)/12袋
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はたけなか製麺 白石温麺(しろいしうーめん)
宮城県白石市に400年も前から親しまれている、長さ9cmでちょっと太めのそうめんを製造販売しております。創業百三十余年の製麺技術と…
はたけなか製麺 白石温麺(しろいしうーめん)
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マル白白石温麺
変わらぬ人気を誇る「マル白白石温麺」は、伝統と歴史に培われた品質で、白石温麺の定番です。のどごしが良くなめらかな舌触りで四季を通…
マル白白石温麺
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●ホヤ


根強いファンが多いホヤは冷凍で購入可能。2025年は不漁のため数は多くないが、メーカーに在庫があれば店頭に並びます。

大蔵店長「この勢いだと、冬にはなくなるんじゃないかな」。

  • 都内ではなかなか手に入らないホヤ。開店と同時に取り置きの電話が入ることも
夏のほや(400g入)
当店は宮城県北部の港町「南三陸町(みなみさんりくちょう)」で60年以上続く鮮魚店です。南三陸ならではの海の幸を、創業以来変わらぬ品質…
夏のほや(400g入)
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宮城のほやバラエティーセット
旬のほやに、食べやすく風味を活かした味付けをして、乾燥させたハーフドライ珍味の【ほや酔明】調味液に一晩だけ漬け込んだあっさりタイ…
宮城のほやバラエティーセット
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●調味料


日常的に使える調味料も人気。特に人気が高い定番商品は、「気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース」。またオープニング時に羽生結弦さんからお花が届いたことを機にファンの方が来店し、商品名に「ゆず」が入っている商品も売れたんだそう。

  • 種類豊富な調味料
  • 羽生結弦選手にちなみ、「ゆず」関連商品も人気
気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース
濃厚でクリーミーな完熟牡蠣の味わいを丸ごとエキスにして作ったオイスターソース。気仙沼の海と人の魅力が詰まった深みとコクの万能調味…
気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース
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最後に、大蔵店長が考える「宮城県の魅力」とは?

大蔵店長いわく、宮城県の魅力は「やはり食べ物ではないでしょうか。嗜好品ではなく日常の延長線上にある食品が多く、よくお買い求めいただく商品も日常で使えるものが多いです」。また、宮城県人は「恥ずかしがり屋な人が多いと思いますけど、そこも含めて魅力だと思います。県内でいろいろと成立するのでそこで満足している人も多いかもしれませんが、もっと伸びしろがあると思いますよ」。

「宮城ふるさとプラザ」概要

◆住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下1階

◆アクセス:JR・地下鉄各線「有楽町駅」から徒歩1分、地下鉄「銀座駅」から徒歩3分

◆営業時間:平日10時半~19時半、土日祝10時半~19時

◆電話:03-6257-5101


◆HP:https://cocomiyagi.jp/
◆X:https://x.com/miyagi_plaza/

◆Instagram:https://www.instagram.com/miyagibussan1142/

「宮城ふるさとプラザ」概要

ライター:堀越愛【食材王国みやぎ うまレポ隊】

宮城出身・東京在住のライター。

人物インタビューやブックライティングなど、幅広く活動しています。お笑いWEBメディア「ワラパー」では編集長を務めています。


「離れていても宮城との接点が欲しい」と思い、『食材王国みやぎ うまレポ隊』に参加しました!好きな食べ物はホヤと牡蠣。東京ではなかなか食べられないので、帰省すると必ず食べます。

ライター:堀越愛【食材王国みやぎ うまレポ隊】

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